
これは昔話ではありません。現在進行形の出雲大社。本殿の内部構造は、こうなってます。パワポ(PowerPoint)で、忠実にトレースしました。
私は中学生か高校生の頃、何かの本でこの図を見たことがあります。
「男の隠れ家」と言うんでしょうか。私は子供の頃から押入れの奥など、狭い場所が大好きでした。今でも狭いビジネスホテルに泊まった時、
「明日の朝食バイキングに命をかけるぞ!」
と、ワクワクします。
子供の頃、出雲大社本殿の内部構造図を見た時、
「出雲大社、秘密基地みたいでカッコいい!」
と、思ったものです。
大人になった今、これを見直すと、本当の意味が分かりました。
これ、牢屋ですよ!
オオクニヌシを牢屋の奥に閉じ込めて、扉を閉めて「御客座五神」が監視しています。
「出雲大社に、お客様として座している5人の神様」、
天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)
高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)
神産巣日神(カミムスヒノカミ)
宇摩志阿斯訶備比古遲神 (ウマシアシカビヒコチノカミ)
天之常立神(アメノトコタチノカミ)
5神そろって、別天津神(コトアマツカミ)!
さあ、出てきました。天地創造で始まった古事記。最初に現れた5人の神様が、オオクニヌシが脱獄しないか、監視してます。
出雲大社が修造された最古の記録は659年(日本書記より)。
古事記が書かれた半世紀以上前に、出雲大社が修造されてました。本当に、思わぬところで古事記の伏線が回収されました。
仮に659年から大社の内部構造がこうだったとすると、古事記の別天津神は、出雲大社の御客座五神から引用したことになりますね。
イザナギでもない、イザナミでもない、ましてやアマテラスでもない。天地創造時に現れた、ナンバー1からナンバー5の神様が5人がかりで、オオクニヌシが脱獄しないか監視してます。
どれだけオオクニヌシの祟りを畏れてるんだ?
出雲国を滅ぼしたとしても、ここまで畏れるか?
ヤマトタケルが熊襲や蝦夷を滅ぼしたとしても、大和王権は、これらの国々を畏れてないじゃあないか。
出雲国を滅ぼした以上の「何か」を畏れているような気がしてきました。
繰り返しますが、これは現在進行中の話です。ご存知の方も多いでしょうが、大国主命は西の引佐の浜を向いて鎮座しています。つまり参拝客に対して、横を向いている。しかも「板仕切」に閉ざされて。
参拝客の方を向いているのは、今でも御客座五神、別天津神。「別にやることがある天つ神」です。出雲大社本殿を参拝する人は、大国主命を参拝してるつもりなのに、これでは御客座五神を参拝してることになりますね。
横を向いてるオオクニヌシには、本殿西から参拝しなければならない。このため、本殿西にも小さな賽銭箱が置かれてます。
それでは本殿西から参拝しなければ、オオクニヌシを参拝したことにならない?
ご心配なく。出雲大社の鳥居をくぐると、すぐに目に入るのは「拝殿」。「本殿」ではありません。大社を訪れた多くの方は、拝殿で参拝されてます。拝殿に「2礼4拍手1礼」すれば、大国主命を参拝したことになります。
「平成の大遷宮」というのがあって、2008年から2016年にかけて、本殿や境内の社殿はリフォームされました。出雲大社は、60~70年くらいの間隔でリフォームされるようです。
ちなみにアマテラスの伊勢神宮は、20年ごとに建て替えられてますね。
平成の大遷宮は、宝物殿の改修や庁舎の建て替え等、2019年まで続きました。特に2008年から2013年にかけて、本殿改修のため、オオクニヌシのご神体は拝殿に鎮座していました。ここからも拝殿を参拝すれば、大国主命を参拝したことになることが分かります。
ところで平成の大遷宮。本殿の改修工事を行ってた頃、何かで見たか、読んだかした記憶があります。
本殿中心の「心御柱(しんのみはしら)」は、大黒柱になってないことを。
本殿天井の構造がどうなってるか知りませんが、この程度の木造建築なら、天井をトラス構造(三角形を基本単位として構成する構造)にすれば、中心に柱が無くても十分強度を確保できる。
しかしながら平安時代や鎌倉時代の高層建築では、心御柱は絶対に大黒柱だったはず。本殿の荷重は、その中心の柱にもっとも圧力をかけます。心御柱が無ければ、あのような高層建築は不可能。
心御柱は、今は本殿の荷重を支えてないのか…
本殿を支えるため、前後の宇豆柱に梁(はり)を渡しているはず。心御柱は、梁に接合されてるんだろうなあ。
こんなことを考えながら、出雲大社本殿の内部構造図を眺めてました…
!!
わずかに心御柱が、本殿中心から左にずれている!
これ、私のトレースミスではありません。出雲大社内部構造を記した図をネットで検索して、3種見つけました。そのうち2つ、心御柱が中心からわずかに左にずれている。
(1) 心御柱は、現在でも本殿中心に存在する
(2) 心御柱は、現在では本殿中心から左にずれている
どっちが正解でしょう?
正解は(2)。ソースは出雲大社。「平成の大遷宮」に伴い2008年、約60年ぶりに本殿の特別拝観が行われました。特別に本殿内部が一般公開された訳です。
その時、「特別拝観のしおり」が配布されました。しおりには、出雲大社の内部構造が描かれてますが、やはり心御柱は本殿中心から左にずれています。
「出雲大社 特別拝観のしおり」で、画像検索してみてください。(2)が正解だと、出雲大社が宣言していることが分かりますから。
心御柱を左にずらすとどうなるか?
オオクニヌシをより牢屋の奥に閉じ込めることができる。そして、板仕切を広くして参拝者から、より多くオオクニヌシを隠すことができます。
誰がいつ、心御柱を左にずらした?
楽しくなってきました。シャーロック・ホームズ好きの血が騒ぐぜ!