火照命(ホデリノミコト)は海幸彦(うみさちひこ)として、いろんな魚を獲っていました。
火遠理命(ホオリノミコト)は山幸彦(やまのさちひこ)として、いろんな動物(鹿など)を獲っていました。
以降、ホデリノミコトを「海幸彦(うみさちひこ)」、ホオリノミコトを「山幸彦(やまのさちひこ)」と称します。
ちなみに二男の火須勢理命(ホスセリノミコト)は、登場しません。
3人生まれないと、験を担げませんからねえ。
稗田阿礼は3人にするため意味のないキャラ、ホスセリノミコトを創作したのでしょう。
ある時、山幸彦は海幸彦に提案しました。
「一度、お互いの道具(釣り針と弓矢)を交換して、仕事を交換してみないかい?」
「やだ」←子供か!
「一度やってみようよ、兄さん」
「やだ」←子供か!
「一回だけで、いいからさあ」
「やだ」←子供か!
「どうしてもダメ?」
「それじゃ、一度だけだからな」
山幸彦は釣り針を持って、喜んで釣りに出かけます。
ところが魚は一匹も釣れず、挙句の果て、釣り針を海に無くしてしまいました。
フンフフッフ~ン♪
山幸彦は、鼻歌交じりに帰ってきました。
海幸彦は問いかけます。
「魚は釣れたか?」
「山の幸も己がさちさち。海の幸も己がさちさち」
「いいから釣り針を返せ!」
フンフフッフ~ン♪
「だから釣り針を返せってばよ!」
「…無くしちった、(・ω<) てへぺろ」
「何だと、ゴルァ!」
「ごめん、兄さん」
「とにかく釣り針を返せ!」
山幸彦は御佩(みはかし)の十拳の剣を砕き、500本の釣り針を作りました。
「これで勘弁してくれよ、兄さん」
「やだ」←子供か!
今度は1000本の釣り針を作りました。
「これでお願い!」
「やだ」←子供か!
「Return to me the original hook!」←欧米か!
(オレの釣り針を返せ!)
山幸彦は泣きながら、黄昏の海辺に佇みます。その時、塩椎神(シオツチノカミ)がやってきて問いかけました。
「どうされましたか、虚空津日高(ソラツヒコ:原文まま)」
「実はかくかくしかじかで、兄の釣り針を探さなければならないのです」
「さようでございましたか。それならば、良い手があります」
シオツチノカミは隙間の無い、細かく編んだ竹かごの小船を造りました。その船に山幸彦を乗せて言いました。
「私が船を押し流します。そのまま行くと、味御路(原文まま)があります。
その道を進めば魚鱗で造られた宮殿、海神(ワタツミ)の神殿があります。
その門に着いたら傍らの井戸の上に、香りのよい木(原文:湯津香木(ゆつかき))があります。その木の上に居れば、ワタツミの娘が現れるはず。
そこで相談なさい」
お分かりでしょうか。
「隙間の無い、細かく編んだ竹かごの小船」、潜水艦です。
「魚鱗で造られた宮殿」、海底宮殿です。
ちなみにワタツミは、(省略しましたが)イザナギ/イザナミが生んだ、海の神様です。
山幸彦は教えられた通り、少し行きました。(そう遠くないところに行ってますね)
すると果たしてその通り、香木がありました。その木に登って待っていると、海神(ワタツミ)の娘、豊玉毘賣(トヨタマヒメ)の侍女が、井戸に水を汲みにやってきました。
侍女が玉器(たまうつわ)に水を汲もうとした時、井戸の水に光が映りました。
「何これ?」
香木の上を見ると、麗しき男がいました。山幸彦、かなりのイケメンだったようです。
山幸彦は侍女に声を掛けます。
「喉が渇いた。ちょっと水を飲ませてくれないかな?」
「どうぞ」
ところが山幸彦は水は飲まず、首にかけてあった美しい玉(原文:璵)を口に含んで、玉器に吐き出しました。すると玉は、玉器の底に引っ付きました。
「何これ、取れない!」
侍女は、そのまま玉器をトヨタマヒメに渡します。
ここ、唾を接着剤代わりにして、無理やり玉をトヨタマヒメにプレゼントしてますね。山幸彦が首にかけてあった玉、おそらく真珠でしょう。そして、プレゼントした相手が豊玉毘賣(トヨタマヒメ)。
この後の、何気ない伏線になってます。
トヨタマヒメは侍女に問います。
「この玉は…
ひょっとして、誰か来たのですか?」
「はい、井戸の上の木に人がいまして。それが、すごいイケメンですの!」
そこでトヨタマヒメは、イケメンを見に行きました。
「おや、いい女」
「あら、いい男」
またこのパターンか。
「お父さま、とっても素敵な方がいらっしゃいましたのよ」
ワタツミは自ら赴いて、イケメンを見に来ました。
「あなた様は天津日高(アマツヒコ:ニニギノミコト)の御子、虚空津日高(ソラツヒコ)様ですな!」
すぐに山幸彦を宮殿内に招き入れ、美智(=あしか)の皮を八重に畳んで敷いた上に絁(あしぎぬ:絹の織物)を八重に畳み敷き、その上に座って頂きました。
そして、百取机代物(ももとりのつくえしろもの:たくさんの机と供え物)に、ご馳走を準備して宴会を開きました。有無を言わさぬ結婚式です。